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ウイルス共進化分野

 

(宮沢孝幸研究室)

 

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ウイルス・再生医科学研究所ウイルス共進化分野(宮沢孝幸研究室)では、

ウイルスと宿主の相互作用による創発現象」の解明を目指しています。 

 

ご挨拶

みなさん

 みなさんは「ウイルス」と聞くと何を想像するでしょうか?

 インフルエンザウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、C型肝炎ウイルス、エボラウイルス。これらのウイルスはすべて病気を起こす病原体です。

  ウイルスはヒトや動物、植物に病気を起こす病原体として認識され、これまで研究されてきました。その結果、ワクチンや治療薬が開発されて、我々はその恩恵を受けています。

 しかし、ウイルス学がもたらした恩恵はそれだけではありません。実はウイルス学が基礎生物学や基礎医学に貢献した例はたくさんあります。

 例えば、DNAが遺伝物質であることは、細菌のウイルスであるバクテリオファージを用いた実験で明らかになっています。また、ガンはガン遺伝子の活性化によって生じますが、その概念(いわゆるオンコジーン仮説)は、1960年から1970年代に見つかったネコやニワトリなどの腫瘍レトロウイルスの研究成果により確立されました。

 

 ウイルスから生命現象を探る、特に、ウイルスを単なる病原体して捉えることなく「地球生命全体からウイルスの存在意義を考察する」ことは、若い頃から一貫している私の研究姿勢であります。

 数ある研究テーマの中で最近の私たちの研究成果を一つ紹介します。

 私たちの体の中には、数億年前から数十万年前に祖先が感染したレトロウイルスのゲノム配列が、全ゲノム配列の中の8%をも占めています。

 私たちは数年前に一つの研究論文を発表しました。その論文では「数千万年前に哺乳類が感染した一つのレトロウイルスが、哺乳類の胎盤の多様化に役に立ったことを実証し、レトロウイルスと哺乳類が共進化した過程」を明らかにしました。

 哺乳類の胎盤の進化をウイルスが促したことは、ウイルスの存在意義の一つだと私たちは考えています。しかし、ウイルスの存在意義はそれだけではないはずです。

 

 私の研究室は、ウイルス・再生研の合併を機に、名称が「ウイルス共進化分野」となりました。そこで、研究室のミッションを次のように定義しました。

 

 「ウイルスと宿主の相互作用による創発現象の解明」です。

 

 創発現象とは、下位の階層の単純な総和にとどまらない性質が、上位の階層で現れることで、分子、細胞、個体、生態系など多様な階層をもつ生命現象を理解するうえで大切な概念になっています。

 ウイルスの起源は明らかになっておりませんが、ウイルスが出現した時点で、宿主との新たな相互作用が生まれ、まったく新しい階層の生命現象が現れたと考えられます。ウイルスと宿主、この2つの相互作用が始まったときから生命は新しい進化を始め、まったく新しい生命現象を創発してきたでしょう。内在性レトロウイルスによって胎盤が出現したのもその例になります。そのような創発された生命現象はまだまだあると考えています。それを我々は追究しようと思っています。

 そこには異分野の考え方、知見を取り入れる必要があると思っています。例えば、発生学、量子物理学、宇宙物理学、社会学などです。私たちの研究室では、これらの分野でみられた創発現象の知見から柔軟な発想を得ることにも積極的です。そして、そこに我々はウイルス学、細胞生物学、ゲノム遺伝学、バイオインフォマティクスを駆使したアプローチで、「ウイルスと宿主の相互作用による創発現象」の解明を目指しています。

 

 もし私たちの研究のコンセプトに興味をもっていただき、私とともに新しい学問を作ろうと思った方がこの中にいらっしゃいましたら、是非私の研究室に具体的な話を聞きに来て下さい。(2017年3月31日 研究所見学会での研究室紹介)

 

 宮沢研究室では、個性が活きる研究を目指しています。

宮沢研究室では学生一人一人が主役です。

現在、日本学術振興会特別研究員(PD)も受け入れ可能です。

研究室見学もお気軽にお問い合わせ下さい(高校生も大歓迎します)

What's New?

 

2017年5月8日 六本木SuperDeluxeにてサイエンスバトルで講演しました。

2017年5月3日 京都大学 基礎物理学研究所・未来創成学国際研究ユニットの学術研究会「生体、人体、精神、宇宙ーつながりの深層を探る」で宮沢が講演しました。

2017年4月7日 2017年度メンバー写真を写真館にUPしました。

2017年4月1日 宮沢が未来創成学国際研究ユニットのメンバーに加わりました。

2017年3月31日 ウイルス・再生医科学研究所の見学会が開催されました。

2016年12月8日 大阪府立大手前高等学校の生徒がウイルス・再生医科学研究所に来所し、宮沢ならびに佐藤先生のセミナーを受講するとともに、研究室を見学しました。

2016年12月7日 清風南海学園高等学校の生徒がウイルス・再生医科学研究所に来所し、宮沢のセミナーを受講するとともに、ウイルス共進化分野の研究室を見学しました。 

2016年11月30日~12月2日に開催された分子生物学会で、橋本、下出(神戸大学PD)が研究発表しました。

2016年11月26日 宮沢がヤンソン賞を受賞しました。授賞式ならびに授賞者講演(レトロウイルスと哺乳類の共進化)は11月26日東京大学農学部で行われました。(授賞式と講演の様子はこちら

2016年11月20日 第37回動物臨床医学会年次大会で宮沢と小出がセミナーならびに研究発表をしました。

2016年11月16日 和歌山県立桐蔭中学校の生徒さんが来所し、研究室を見学しました。

2016年9月28日 ウイルス研究所の潮流セミナーに後飯塚僚先生をお呼びしてご講演いただきました。

2016年9月26日 ウシのレンチウイルスとApobecに関する論文がScientific Reportsに掲載されました。(小柳研との共同研究)

2016年9月19日 ワクチン製造用RD-114ウイルスのノックアウト細胞に関する研究が、日本経済新聞に紹介されました。

2016年8月 小動物ウイルス病研究会が発足しました。

2016年3月24日 宮沢が京都大学のHP(探検!京都大学)の「京大先生図鑑」に紹介されました。

  

ただいま、宮沢研で研究したい方募集中!詳細はこちら  

2017年4月1日 京都大学 未来創成学国際研究ユニットに参画しました。

本ユニットの理念・目的はこちら

 

2016年10月1日にウイルス研究所は再生医科学研究所と合併し、ウイルス・再生医科学研究所となりました。

 

京都大学ニュースはこちら

研究室名は「ウイルス共進化」に改称されました。

 

 

At homeのこだわりアカデミー(2016年6月号)に下出らの研究が紹介されました。

宮沢が京都大学のHP(探検!京都大学)の「京大先生図鑑」に紹介されました。

古代のレトロウイルスであるBERV-K1は、約2000万年前にウシ亜科動物の祖先の生殖細胞に感染し、ゲノム(FAT2遺伝子のIntron)に組み込まれました。そして、現在は、Fematrin-1としてウシ亜科動物の胎盤で機能しています。このように、古代ウイルスは、ほ乳類の進化に寄与しています。(お知らせ

JT生命誌ジャーナルにFematrin-1と胎盤の進化に関する研究が紹介されました。是非ご覧下さい

Nature Japanにウシ内在性レトロウイルスに関する研究が紹介されました。こちらも是非ご覧下さい。

 ニホンザル血小板減少症の原因ウイルスであるサルレトロウイルス4型の感染性分子クローンの作出に成功し、ニホンザル血小板減少症がSRV-4単独で引き起こされる疾病であることを証明しました。さらにSRV-4のウイルス受容体を同定し、様々な組織で受容体が発現していること、様々な組織にウイルスが感染していることなどを見いだし、Journal of Virology誌4月号に公表しました。詳しい内容については、京都大学のHPの研究成果をご覧下さい。

 SAC誌第177号(2015年1月号)に「ネコモルビリウイルスに関するQ&A」が公開されました。

 獣医師向けに平易に解説しています。

 

 ネコモルビリウイルスは腎臓に持続感染し、尿細管間質性腎炎を引き起こすと考えられています。

 

 2012年に香港で発見されたウイルスです。日本国内でも感染猫は認められ、我々も日本国内で初めてウイルス分離に成功しています。

 

コアラレトロウイルスサブグループJ(KoRV-J)が分離されたコアラ。KoRV-Jはアメリカで飼育されているコアラでも同様のウイルスが発見されており、白血病やリンパ腫との関連が疑われています。(残念ながらこのコアラは、2008年11月に死亡しています。)